革新的な配電システム「RiLineX」登場

RiLineXは、最大1000V ACまたは±1500V DCに対応する信頼性の高い配電ソリューションを求めるすべての事業や設備に最適です。具体的には、制御盤・配電盤の製造業者、エネルギー貯蔵業界、太陽光発電システムの設置業者、IT分野まで、さまざまな業界で活用可能です。この新しいプラットフォームは、システムの複雑な設計、部品設置によるスペースの無駄、保護カバーの切断作業といった従来の課題を解消します。

支持具の計画不要
RiLineXは、計画と設置のプロセスを大幅に簡素化します。銅バーがボードに直接統合されているため、部品の設置場所を自由に計画・設置できます。これにより、プロジェクトごとに支持具を配置する複雑な作業が不要になります。また、保護カバーの切断も必要なくなり、廃材やプラスチック廃棄物を平均1.9kg削減できます。

さらに、銅バーはシステム内で完全に覆われており、IP2XBの保護等級（直径12mm以上の固体物の侵入防止）を満たしています。オプションでIP4Xの保護等級（直径1mm以上の固体物の侵入防止）にアップグレード可能です。この設計により、システム全体は52.5kAまでの短絡耐性が事前テストされ、安全性が確保されています。

30～50%の作業時間を短縮
RiLineXは、計画、組立、メンテナンスまでの作業を効率化し、プラントエンジニアリングをより効率的にします。クリック式のボードと部品により、簡単かつ迅速な設置が可能で、プロジェクトに応じたモジュールソリューションが低コストで実現できます。

完全ボード型とモジュラー型の選択肢
 

RiLineXは、用途に応じて以下の2つのアプローチが用意されています：

1つ目の選択肢は、銅バーを含むボードがセットになったRiLineXプラットフォームです。このボードは、リタールのAXコンパクトボックスやVX25連結エンクロージャー（最大1,200mmまで）に短時間で簡単に設置できます。また、エンクロージャーにあらかじめ組み込んだ状態で提供することも可能です。このボードは標準的な用途に最適で、コストを削減し、全体像を把握しやすくします。さらに、特別な知識がなくても簡単にシステムを設置できるため、初心者でも安心して利用できます。

一方で、モジュラー型システムは、柔軟な設計を可能にする完全なカスタマイズ性を提供します。このシステムは、連結接続により2.4メートル以上に拡張可能です。ユーザーは、マウンティングプレートの長さを把握するだけで、200mm単位でモジュールを柔軟に組み合わせることができます。さらに、リタールの多くのマウンティングプレートには統一された穴あけ目盛りが採用されており、標準的なバスバーをシステムのサイズに合わせて切断するだけで簡単に設置が可能です。銅バーはボードにしっかりと固定されており、常に短絡耐性が確保されます。このバージョンは、銅バーなしのシステムキットとしても利用できます。

国際用途においては、重い金属を大陸間で輸送する必要がなくなるため、コスト削減と環境保護の両方でメリットがあります。RiLineXを使用すれば、現場で銅やアルミニウム製のコスト効率の高い標準バー（さまざまな断面積に対応）を簡単に使用することができます。また、複数のエンクロージャーを連結する作業も、後からでも容易に行えます。

設計時には、リタールが提供する新しいRiPowerプランニングツールがユーザーをサポートします。

将来を見据えた設計
RiLineXは、最初は3極システム（最大800A）として提供されますが、将来的に4極システムも導入予定です。また、直流電流用途にも対応しており、産業用アプリケーションや再生可能エネルギー分野において重要な役割を果たします。

2025年のハノーバーメッセまでに、接続アダプタやヒューズ、遮断器など、すべての関連部品が提供される予定です。

受賞歴のあるデザイン
RiLineXは、ドイツデザイン評議会による「German Design Award 2025」のエネルギー部門で受賞しました。これにより、機能的なデザインが持続可能な経済変革に貢献できることが示されています。